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物語ゴータマブッダとメッテイヤブッダ

ウサギだったゴータマブッダの前世の話と、次に現れるメッテイヤブッダの話から、業の働きの細やかさを考えます。

ゴータマブッダ(お釈迦様)は、いまの時代のです。はるか未来に、次のとして現れると伝えられるのが、メッテイヤブッダ(弥勒菩薩)です。メッテイヤという名は「」に由来します。

この話では、二人のブッダの前世の話を手がかりに、行いとその結果の関係を考えます。

ウサギの前世

ゴータマブッダがブッダになる前、ウサギとして生まれたことがある、という有名な話があります。

ウサギは、サル、ジャッカル、カワウソと仲よく森で暮らし、仲間に「施しをしよう」と説いていました。ある日、の王が修行者の姿になって、食べものを求めてやって来ます。ほかの仲間は魚や果物を差し出しましたが、ウサギには草しかありません。そこでウサギは「私の体を差し上げます」と言って火をおこしてもらい、ためらわずに炎の中へ飛び込みました。

火はウサギの毛一本も焼きませんでした。天の王はその心をたたえ、月の面にウサギの姿を描いた、と伝えられています。

メッテイヤブッダの前世

上座部の伝承では、メッテイヤブッダにも前世で同じような経験があったといわれます。そのときは、香りのよい草で自分の体に香りをつけ、相手がよりおいしく食べられるようにしてから、火の中へ飛び込んだと伝えられています。

同じでも、相手を思う心がもう一段細やかだった、ということです。

数えきれないほどの生まれ変わりの中で、このように細やかな行いを積み重ねてきた結果、メッテイヤブッダは、人の寿命が八万歳にもなる時代に生まれると伝えられます。注釈書の伝承では、その時代の人々の体は大きく美しく、背丈はおよそ四十〜五十メートルにもなるとされます。そしてメッテイヤブッダは、(法)を細やかに悟り、細やかに説くという実りを得るといわれます。

大乗仏教でも弥勒菩薩は未来のブッダとされますが、現れるまでの年数の数え方などは伝統によって異なります。

この話の教え

自然の法則としてのダンマは、私たちが想像するよりもずっと細やかに働いています。

寿命が八万歳、背丈が数十メートルと聞くと、科学の時代を生きる私たちには信じがたい話に思えます。けれども、体長が数十メートルもある恐竜の化石も見つかっています。二千五百年前に説かれたことが、量子力学や脳科学の知見と重ねて語られることも増えています。

私たちがの法則に気づきにくいのは、思いや行いと、その結果が現れるまでに時間の差があるからです。今日の行いの結果が、何年も先や次の生で現れることもあります。

ただし、五無間業(ごむけんごう)と呼ばれる五つの行いは別です。母を殺す、父を殺す、を殺す、ブッダの体を傷つけて血を流させる、を分裂させる、の五つです。上座部の伝承では、これらはあまりに重いため、命が終わると、ほかの生をはさまずに、すぐ次の生でに生まれると説かれます。「無間」は、あいだを置かないという意味です。

行いの結果は、遅れることはあっても、必ず現れます。業の働きはカルマで、生まれ変わりについては輪廻転生で読めます。