ダンマ五戒
在家の仏教徒が日々守る五つの戒めです。誰かに命じられる決まりではなく、自分で引き受ける学びの項目として紹介します。
五戒(ごかい)は、在家の仏教徒が日々の暮らしで守る、五つのです。上座部の国々では、お寺での集まりや法要のはじめに、礼拝文と三帰依に続けて五戒を唱えるのが習わしです。
五つの戒め
- 生きものの命を奪うことから離れる
- 与えられていないものを取ることから離れる
- 性について誤った行いをすることから離れる
- 偽りを言うことから離れる
- 酒など、怠りのもとになる、酔わせるものを飲むことから離れる
はじめの三つはの行い、四つ目はの行いにかかわります。五つ目も体の行いですが、とくに、酔ってを失い、ほかの四つを破りやすくなるのを防ぐ働きがあります。
命令ではなく、自分で引き受ける学び
五戒を唱える言葉は、どれも「〜から離れるという学びの項目を、私は引き受けます」という形をしています。神々や他の誰かが命じる決まりではありません。自分で「こう生きよう」と決めて引き受ける、練習の目標です。
ですから、もし破ってしまっても、それで終わりではありません。気づいたら省みて、もう一度引き受け直せばよいのです。
行いと心
ブッダは「意図こそが業である」と説きました。行いの善し悪しは、その中心にある意図で決まります。五戒を守ることは、意図にもとづく行いを控え、心を育てることです。その行いはとして、自分の心と、その先の生き方を形づくっていきます。業の働きについてはカルマで読めます。
五戒は大きな施し
経典は、五戒を守ることを、五つの「大きな」とも呼びます。五戒を守る人は、数えきれない生きものに、恐れのなさ、恨みのなさ、悩みのなさを施すことになり、その人自身も、恐れや恨みや悩みのない暮らしにあずかる、と説かれます。
自分を律する戒めが、そのまま周りの生きものへの思いやりにもなります。五戒は、仏教の実践のいちばん身近な入り口です。
八正道とのつながり
五戒は、八正道のうち、正しい言葉(正語)、正しい行い(正業)、正しい暮らし(正命)の土台にあたります。戒めによって暮らしが落ち着くと、心を静める練習や、ありのままに見る智慧の練習にも取り組みやすくなります。